Bunji Square Memo

メモの保存用。

幻の木

  • タイトル=「幻の木」
  • 初出=ヤングジャンプ 1987/?/? 号
  • 地名「姫子神社」
  • 巨石「鬼の俎板」
  • 巨石「鬼の包丁」
  • 地名「上木村」(かみきむら)
  • 文献「諸国霊験奇集」

上木村に瓜子神社在り
山中に 一巨木ありて 神体と為す
村人 恐れて近づかざれど
ただ清浄なる乙女のみ
木を見ることを 得るとて 山に入る
社の祝(はふり)は 代々 瓜生氏にて 瓜生の娘
機を織りて 木を祭るとぞ云々

古くは 瓜生の娘は 必ず
死せりと 古老は伝ふ…


安政二年 落雷ありて
一夜にて この木
燃え落ちたと云ひて今は
根を残すのみ…

  • 説話「瓜子姫」

「婆が 川さ
 洗濯にいくと
 大きな瓜が
 流されてきたと
 それを ひろって
 帰ると 中から
 めんこい女の子が
 生まれたので
 瓜子姫と名づけて
 育てたと
 瓜子姫は 毎日
 キーリバッタン スットントンと
 機を織っとったが
 ある日 爺婆の留守に
 アマンジャクが やってきて

 瓜子姫
 瓜子姫
 少しでいいで
 開けてけえ
 もう少し 開けえ

 といって
 戸を 開けさせ
 中に 入ってしまった」

この先 瓜子姫の話は

地方によって 多少 異なり

姫をだまして

俎板と包丁で

殺して 食って

しまったというもの…

もうひとつは 姫を誘い出して

柿の木に登って 姫に渋柿を

ぶつけたり 木にしばりつけたり…

あるいは 木から ゆり落として

殺してしまうというもの…

主にこの二つです。

「アマンジャクは
 瓜子姫に化けて
 じゃんがら じゃんがらと
 機を織っとると
 爺婆が 帰ってきて
 姫を 嫁にやるといって
 駕籠に
 乗せたと
 そうすっと
 一羽の鳥が
 飛んできて

 瓜子姫子ァ
 乗さる駕籠さ
 アマンジャク乗さた

 と鳴いたので
 アマンジャクは 正体が
 ばれて殺されたと…」  

 

  • メモ:記憶の神木を目指して二人の男女が故郷で遭遇する話が、説話「瓜子姫」とシンクロして進行するプロット。
  • 「上木村」=神の木。つまり神木。
  • 説話「瓜子姫」は神木に対しての人身御供が行われていたことと、木をめぐる善悪二者の対立を描いている。
  • 善=神木を祭る巫女である瓜子姫。悪=神木に近づこうとする者を妨害するアマノジャク。
  • 説話ではアマノジャクは瓜子姫を殺して姫に化ける。
  • つまり、瓜子姫とアマノジャクは二つで一つの存在と考えられる。善悪はセットだと。