Bunji Square Memo

メモの保存用。

生命の木

  • タイトル=「生命の木」
  • 初出=少年ジャンプ 1976年8月増刊号
  • 文献「世界開始の科のお伝え」(せかいかいしのとがのおつたえ)

そもそもでうすと敬い奉るは
天地の御主 人間万物の御親にてましますなり
はじめに 天地万物を つくらせたまい
また 土より五体をつくりて人となし
これ あだんとじゅすへるのふたりなり
ぱらいそに二本の天の木あれば かならず
食うことなかれと でうすかたく仰せあるを
じゅすへる あだんをたばかりて
あだんは まさんの木の実をとりて
じゅすへるはいのちの木の実を食しける
これより たちまち天の快楽をうしない
あだん その妻えわと下界に追いやられ
畜生を食し 田畑を耕してまいるべし
また じゅすへるの子ども 死ぬことなく
生みふえれば でうす こを憂いたまいて
地をひらきて いんへるのに落としたもう
その子孫 わずかに人からかくれ住み
いのちの木の実の功力にや 死ぬこと
なしといえども でうすの呪い受けたれば
順次に いんへるのにひきこまれ
子し孫そん 地の底に身をもがき
きりんと参る日まで 苦しみつきざるというなり

  •  地名「軽張山」(別名「骨山」)≒「カルヴァリオ」(「しゃれこうべ」)
  • 文献「天地始之事」(てんちはじまりのこと)
  • 「重太」(じゅうた)≒「Judas Iscariot」(「イスカリオテのユダ」)
  • 「善次」(ぜんず)≒「Jesus」(「イエス」)
  • 「三じゅわん」≒「聖ヨハネ」(三人のヨハネ=「洗礼者ヨハネ」「使徒ヨハネ」「福音記者ヨハネ」)
  • 「あだん」=「Adam」
  • 「じゅすへる」=「Lucifer」
  • 「まさん」=「Maca」(「林檎」)
  • 「えわ」=「Eva」
  • 「いんへるの」=「Inferno」(「地獄」)
  • 「きりんと」=「Christ」(「救世主」)
  • 「ぽろへしゃす」≒「profecia」(「預言」)
  • 「けるびん」≒「Cherubim」(「智天使ケルビム」)
  • 「ぐろうりや」≒「gloria」(「栄光」)
  • メモ:知恵の木の実を食べたアダム=我々人類の祖先。でも生命の木の実を食べなかったので不死ではない。生命の木の実を食べたルシファー。でも知恵の木の実を食べなかったので知恵が低い。
  • もちろん、生命の木の実と知恵の木の実の両方を食べたら、それは神の存在であると。そして、そのルシファーの子孫にもきっと救世主がいるはずだという発想が奇抜すぎて面白い。
  • そして本作でも「世界開始の科のお伝え」なんていう古文書のそれっぽさが異彩を放っている。