凶宅
- タイトル:「凶宅」(きょうたく)
- 地名:杏羅(あんら)ANRA⇔NARA で「奈良」のアナグラム
- 駅名:伽陀石伊駅(がだいしい)GADAISII⇔SAIDAIGI で「西大寺」のアナグラムか…G がやや苦しい。
- 地名:奈賀橋町(ながはし)、旧名:長箸村(ながはし)。対応する地名は不明。
- 校名:穂沙小学校(ほさ)HOSA⇔SAHO で「佐保小学校」のアナグラムと推測。
- 山名:百々山(どどやま)。不明。
- メモ:奈賀橋町(ながはし)とインド神話の蛇神の「ナーガ」とは関係があるかもしれない。作中、百々山(どどやま)には恐ろしい蛇神が棲むという伝承が伝わっている。
- 「奈賀橋町」・「長箸村」に似た音の地名として「箸墓古墳」を思い浮かべだが、奈良市ではないので違うと思われる。
- 「百々山」(どどやま)。100=10x10 なので、十(とう)が十(とう)あるということで百を「とうとう」「どうどう」「どど」と読むことがあるらしい。多くは「百」という漢字には意味がなく、先に「とうとう」「どうどう」「どど」の音があって、そこに「百」という漢字を当てはめたと思われる。例えば、河川や滝がその地にあって「ドドド」と水音がとどろいていたとか。「風の又三郎」の冒頭の書き出しのように風の音が「ドド」と聞こえたとか。
禍家
- タイトル:禍家(まがや)
- 地名:武蔵名護池(なごいけ)NAGOIKE⇔KOGANEIで「小金井」
- 地名:盂怒貴町(うぬきちょう)UNUKI⇔NUKUI で「貫井」のアナグラムと推測。
- 地名︰螺画浜小?対応する地名はまだ不明。前原小ではアナグラムにならない。
- 地図:盂怒貴町東四丁目
- 地名:上総の森(かずさのもり)
- メモ:角川ホラー文庫版で三津田信三の「死相学探偵」シリーズを買いそろえていたが、シリーズ外の作品が出てたので読んでみた。なんか読んだような気がするなーと思っていたら、かつて2007年の光文社文庫版をすでに読んでいておぼろながら覚えていたようだ。
- 表紙デザイン等の比較
- 光文社文庫版
- 角川ホラー文庫版
幻の木
- タイトル=「幻の木」
- 初出=ヤングジャンプ 1987/?/? 号
- 地名「姫子神社」
- 巨石「鬼の俎板」
- 巨石「鬼の包丁」
- 地名「上木村」(かみきむら)
- 文献「諸国霊験奇集」
上木村に瓜子神社在り
山中に 一巨木ありて 神体と為す
村人 恐れて近づかざれど
ただ清浄なる乙女のみ
木を見ることを 得るとて 山に入る
社の祝(はふり)は 代々 瓜生氏にて 瓜生の娘
機を織りて 木を祭るとぞ云々古くは 瓜生の娘は 必ず
死せりと 古老は伝ふ……
安政二年 落雷ありて
一夜にて この木
燃え落ちたと云ひて今は
根を残すのみ…
- 説話「瓜子姫」
「婆が 川さ
洗濯にいくと
大きな瓜が
流されてきたと
それを ひろって
帰ると 中から
めんこい女の子が
生まれたので
瓜子姫と名づけて
育てたと
瓜子姫は 毎日
キーリバッタン スットントンと
機を織っとったが
ある日 爺婆の留守に
アマンジャクが やってきて瓜子姫
瓜子姫
少しでいいで
開けてけえ
もう少し 開けえといって
戸を 開けさせ
中に 入ってしまった」この先 瓜子姫の話は
地方によって 多少 異なり
姫をだまして
俎板と包丁で
殺して 食って
しまったというもの…
もうひとつは 姫を誘い出して
柿の木に登って 姫に渋柿を
ぶつけたり 木にしばりつけたり…
あるいは 木から ゆり落として
殺してしまうというもの…
主にこの二つです。
「アマンジャクは
瓜子姫に化けて
じゃんがら じゃんがらと
機を織っとると
爺婆が 帰ってきて
姫を 嫁にやるといって
駕籠に
乗せたと
そうすっと
一羽の鳥が
飛んできて瓜子姫子ァ
乗さる駕籠さ
アマンジャク乗さたと鳴いたので
アマンジャクは 正体が
ばれて殺されたと…」
- メモ:記憶の神木を目指して二人の男女が故郷で遭遇する話が、説話「瓜子姫」とシンクロして進行するプロット。
- 「上木村」=神の木。つまり神木。
- 説話「瓜子姫」は神木に対しての人身御供が行われていたことと、木をめぐる善悪二者の対立を描いている。
- 善=神木を祭る巫女である瓜子姫。悪=神木に近づこうとする者を妨害するアマノジャク。
- 説話ではアマノジャクは瓜子姫を殺して姫に化ける。
- つまり、瓜子姫とアマノジャクは二つで一つの存在と考えられる。善悪はセットだと。